かつての私は、勉強という言葉を聞くだけで息苦しくなっていました。机に向かうと不安に襲われ、教科書を開くだけで気持ちが重くなる。まるで勉強に対する“トラウマ”のようなものが染みついていたのです。
でも今では、毎日自分のペースで学ぶことが楽しくなり、「勉強=自分を高める時間」と自然に思えるようになりました。この記事では、かつて“勉強=苦痛”だった私が、どのようにしてそのトラウマを克服していったのか、実体験をもとにお話ししていきます。
なぜ「勉強=苦痛」になったのか?

私が勉強に苦手意識を持ち始めたのは、小学校高学年のころ。クラスの中で成績順に席替えされるという制度がありました。そのとき、テストで思うように点が取れず、みんなの前で「後ろの席」に追いやられた経験が、強烈な恥と自己否定感を生みました。
それからというもの、勉強=自分のダメさを突きつけられる行為、という感覚が強まり、成績が下がるたびに自信もやる気も失っていったのです。
さらに、親からの「もっと頑張れ」「どうしてこんな点数なの?」といった言葉が追い打ちをかけました。悪気はなかったとしても、当時の私には“責められている”ようにしか感じられず、勉強そのものが怖くなっていきました。
勉強が手につかない…「逃げグセ」との自己嫌悪
中学生になっても、勉強への恐怖心は続いていました。テスト前になると不安で眠れず、いざ勉強しようと思っても、集中できずスマホをいじったり部屋を片づけたりして現実逃避。やらなきゃいけないのにできない…そんな自分を責めて、さらに勉強が嫌いになる、という悪循環に陥っていました。
「自分は根性がない」「みんなは頑張ってるのに」と比べては落ち込む日々。でも今思えば、それは“怠けていた”のではなく、勉強に向き合うだけの心の余裕がなかったのだと思います。
心が軽くなったきっかけは「勉強=自分を責める時間」ではないと気づいたこと
この悪循環から少しずつ抜け出すことができたのは、高校1年の春、ある先生の言葉がきっかけでした。
「勉強って、自分をいじめるものじゃないよ。むしろ、自分の未来を守るための“味方”なんだよ」
最初はピンときませんでした。でもその後、少しずつ勉強に対する捉え方が変わっていったのです。
私が試して効果があった「トラウマ克服の3ステップ」
勉強への苦手意識は一朝一夕で消えるものではありませんでした。でも、以下の3つのステップを意識したことで、徐々に「勉強=苦痛」のイメージが変わっていきました。
1. 「できたこと」に目を向ける習慣
以前は「ここが間違ってた」「まだできてない」と、できない部分ばかりに目が行っていました。そこで、意識的に「今日覚えられた英単語は何個?」「前より早く解けた問題はあった?」と、少しでも“できたこと”を記録してみるようにしました。
1日1つでも「できた!」を自分にプレゼントする感覚。これが自信とモチベーションにつながりました。
2. 勉強法を「自分仕様」にカスタマイズ
みんながやってる参考書が合わない、集中できない――そんなとき、自分なりの“気持ちが楽になるやり方”を探すようにしました。
たとえば:
- 「机で勉強」ではなく、最初はベッドに寝転んで単語を眺めるだけ
- 書くのが面倒なら、音声で聴くだけにする日もOK
- 30分だけやって、あとは好きなことをしていいと決める
こうして“勉強=苦しいルールに従う時間”から、“自分を大切にする学びの時間”へと変えていきました。
3. 勉強以外の「好きなこと」で自己肯定感を育てる
勉強だけが自己価値を決めるわけじゃない。そう思えたのは、趣味で始めたイラスト投稿がきっかけでした。
自分の絵に「上手いね」と言ってくれる人がいて、初めて「自分にも得意なことがある」と実感できました。勉強のことばかり考えていたころより、ずっと心が元気になり、自然と「ちょっと頑張ってみようかな」と思えるようになったのです。
勉強トラウマは“心の反応”。恥じなくていい
勉強に対するトラウマは、「甘え」や「根性のなさ」ではありません。それは過去の失敗体験や、周囲の言葉に傷ついた心の“自然な防衛反応”です。
だからまずは、自分の心がそうやって守ろうとしてくれていたことに気づき、「私はよく頑張ってきた」と認めてあげることが第一歩。
無理に勉強を好きになろうとしなくても大丈夫。「少しずつ向き合っていく」その姿勢こそが、何よりの成長だと思います。
最後に:苦しかった私へ、そして今悩んでいるあなたへ
今でも、苦手な分野に取り組むときは「嫌だな」と感じることはあります。でも、昔のように「勉強=怖いもの」「苦しいだけの時間」だとは思いません。
あのとき、逃げずに自分の心と向き合ってみたこと、ほんの少しずつでも勉強に向かう工夫を続けてきたことが、今の自分につながっています。
あなたも、今はつらいかもしれません。でも、心の傷はちゃんと癒されます。少しずつ、あなたなりの方法で、勉強と“いい関係”を築いていけますように。
「勉強=苦痛」と感じてしまうことを、どうか責めないでください。それは、あなたの心ががんばってきた証だから。