古着屋さんで見つけたお気に入りの一着。デザインもサイズも理想的なのに、洗ってもなかなか取れない「におい」が気になって、結局クローゼットの奥へ…という経験はありませんか?
実はこの「洗っても落ちない古着のにおい」、単なる汚れや劣化臭ではなく、複数の複雑な原因が絡んでいることが多いんです。
今回は、その“取れないにおい”の意外な原因を深掘りしながら、すでに紹介している「においの落とし方」も合わせてご紹介。もう古着のにおいに悩まされないための第一歩をお届けします。
原因①:繊維に染み込んだ「防虫剤」の成分
古着は長期間保管されていることが多く、その際に使われていた防虫剤の成分が繊維に深く染み込んでしまっているケースがあります。
防虫剤の主成分であるパラジクロロベンゼンやナフタレンなどは、独特なツンとする香りが特徴。特に湿度の高い日本の気候では、これらの成分が布にしっかり吸着されてしまうことがあります。
洗濯で表面の汚れは落とせても、繊維の奥に入り込んだ分子レベルの成分までは、家庭用洗剤ではなかなか落としきれないのです。
原因②:着用者の「体臭」や生活臭が蓄積されている
古着は一度誰かに着られていたもの。つまり、前の持ち主の体臭や生活環境のにおいが、知らず知らずのうちに蓄積されています。
特に綿やウールなど吸湿性の高い素材は、汗や皮脂、たばこ、香水、柔軟剤などのにおいを長期間保持しやすいのが特徴です。
しかも、こうしたにおいは「自分にとっては微香」でも、他人にとっては強烈に感じられることも。洗っても取れないと感じる原因のひとつです。
原因③:古着特有の「カビや湿気」のにおい
湿気の多い保管環境で長年眠っていた古着は、カビが生えていたり、カビ臭が繊維にしみついていたりすることも少なくありません。
たとえ目に見えるカビがなくても、空気中のカビ菌が繊維に定着し、そこから微細なにおいが発生しているケースがあります。
これも一般的な洗濯だけでは完全に除去するのが難しく、におい残りの大きな要因となります。
原因④:「年代物」ならではの酸化臭・経年劣化臭
ヴィンテージやデッドストックと呼ばれる古着は、数十年前に製造されたものも多く、布そのものが酸化してにおうことがあります。
たとえば、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、時間が経つと素材自体が劣化し、「古いプラスチック」のようなにおいを発することも。
これは“素材そのもの”のにおいなので、どれだけ洗っても完全には消えないこともあるというのが実情です。
ここまでのまとめ:「取れないにおい」には“複合的な原因”がある
一言で「古着のにおい」といっても、その正体は
- 防虫剤やカビなどの保管臭
- 着用者の体臭や生活臭といった使用臭
- 素材そのものの経年変化による素材臭
といった、複数のにおいの層が絡み合ってできているのです。
そのため、「洗濯1回で落とせる」ような単純なにおいではなく、素材に合わせた正しいケアが必要になります。
においの正体がわかったら…試してほしい対策法はこちら!

ここまで読んで「じゃあ、どうやって落とすの?」と疑問に思った方も多いはず。実は、においの種類に応じたケア方法を詳しく解説した記事を、すでに公開しています!
以下の記事では、実際に試して効果があった古着のにおいの落とし方をご紹介しています。
- 酢や重曹を使ったナチュラル洗浄法
- 素材別の正しい洗い方
- 落ちない場合の最終手段(プロのクリーニング活用)など
どれも実践しやすい方法なので、「洗っても落ちない…」と悩んでいた方はぜひ参考にしてみてください。
それでもにおいが消えないときは?

上記の対策をすべて試してもにおいが消えない場合は、次のような選択肢を考えてもよいかもしれません。
- リメイク素材として活用:匂いの気にならないパーツだけを再利用
- インテリアや雑貨にアレンジ:直接肌に触れない用途に変える
- 専門クリーニングに依頼:オゾン脱臭やドライ洗浄など高度な方法で処理
せっかく手に入れたお気に入りの一着、においのせいで手放す前に、できることは意外とたくさんあります。
おわりに:古着のにおいは「知って対処」すれば怖くない
古着のにおい問題は、知らなければ「ただ不快なもの」で終わってしまいますが、原因を理解し、正しい対処法を知れば、自分らしいファッションをもっと自由に楽しめるようになります。
「においが気になって古着はちょっと…」と感じていた方も、この記事をきっかけに、もう一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?