台湾の小学校・中学・高校ってどんな感じ?日本との違いを比べてみた

台湾の学校って、日本とどこが違うの?そんな疑問を持つ人に向けて、この記事では台湾の小学校・中学校・高校の特徴や日本との違いを徹底解説します。台湾に留学を考えている学生や、親として子どもの教育環境を知りたい人にも役立つ情報をまとめました。


学年の区切りや義務教育の制度が違う

まずは制度面の違いから見ていきましょう。日本と台湾では学年の区切り方や義務教育の期間が少し異なります。

義務教育は9年間

台湾の義務教育は「小学6年+中学3年」の9年間で、日本と同様に基本は小中一貫。しかし、台湾では小学校入学が6歳(満6歳になる年)と定められており、誕生日に関係なく9月から新学年がスタートします。

これはアメリカの制度と似ていて、日本の4月始まりとは異なる点です。9月始まりの学年制度は、留学や編入のタイミングにも影響するため、注意が必要です。

高校は義務教育ではないが進学率は高い

台湾では高校(高級中学)に進学するために「会考」と呼ばれる試験を受けます。これは日本でいう高校入試のようなもので、学力に応じて進学先が決まるシステムです。ただし、現在は高校までの教育が実質無償化されており、ほとんどの生徒が高校へ進学します。


制服や校則に厳しい台湾の学校生活

台湾の学校では、日本よりも厳しい印象を受ける場面が多くあります。特に制服や髪型、礼儀に関してはルールが細かく、厳格に守られています。

小学生から制服あり!髪型チェックも

台湾の小学校から高校までは基本的に制服があり、特に中学・高校では髪型や装飾品に関する規則が厳しいです。男子は坊主、女子は肩につかない長さか一つ結びにすることが推奨されている学校も多く、日本に比べて保守的な校風です。

挨拶や上下関係も重視される

台湾の学校では、教師に対して「老師好(ラオシーハオ)」と大きな声で挨拶をするのが習慣です。授業の前後に立って挨拶をするのが一般的で、礼儀を重んじる文化が教育にも表れています。


勉強時間がとにかく長い!受験戦争のリアル

日本でも中学受験や高校受験、大学受験などがありますが、台湾はそれ以上に「学歴社会」の傾向が強く、勉強にかける時間が非常に長いです。

学校は朝7時半から!放課後も補習が当たり前

台湾の学校は始業時間が早く、朝7時半頃には登校完了が求められることが多いです。さらに放課後には「補習班(ブーシーバン)」という塾に通うのが一般的で、夜10時ごろまで勉強する生徒も珍しくありません。

特に高校生になると、大学入試に向けた勉強漬けの毎日。遊びの時間が少なく、青春を楽しむ余裕はあまりないという声も聞かれます。

競争社会のなかで求められる自己管理

学力至上主義の傾向があるため、生徒たちは小さい頃から「良い学校に入るため」の努力を続けます。その分、自己管理能力が高い生徒も多く、日本よりも「自主的に勉強する文化」が根付いている印象です。


給食はない?お弁当文化と食の違い

台湾の学校では、日本のような「給食」はありません。その代わり、食事のスタイルは学校によってさまざまです。

小中高すべてお弁当が基本

台湾の生徒たちは基本的にお弁当を持参します。家庭で作る人もいますが、学校に業者が配達する弁当を注文するケースが多いです。注文はアプリで行う学校もあり、合理的なシステムが進んでいます。

また、学校によっては近隣の食堂と提携していたり、校内に売店があるところも。日本のように「みんなで同じ給食を食べる」というスタイルはなく、個々の食スタイルが尊重されているのも特徴です。


学校イベントは控えめ?でも体育祭は大盛り上がり

日本の学校といえば、運動会や文化祭などのイベントが盛りだくさんですが、台湾では少し事情が違います。

文化祭や修学旅行は少なめ

台湾の学校では文化祭のような大規模イベントはあまり行われません。修学旅行も実施しない学校が多く、日本のように「思い出に残る行事」が少ないと感じる人もいます。

体育祭(運動会)は年に1回のビッグイベント

その代わり、体育祭(運動会)は1年で最も盛り上がる行事のひとつ。日本のように親を呼んで一緒に観戦するのではなく、生徒主体で競技やパフォーマンスに力を入れます。特にダンスや団体演技に力を入れる学校も多く、クラスの団結力を高める貴重な機会です。


人間関係やいじめ事情の違い

最後に、気になる人も多い「人間関係」や「いじめ」について触れておきます。

友達づきあいはフラットでオープン

台湾の学生はフレンドリーで、日本よりも人懐っこい印象があります。上下関係よりも「フラットな友人関係」を大事にする傾向があり、休み時間には学年を超えた交流も見られます。

いじめはゼロではないが対策が進んでいる

もちろん、どの国でもいじめがゼロというわけではありませんが、台湾では教育部(教育省)によるいじめ対策が進んでおり、相談窓口の設置や教員の研修も充実しています。日本と同様にSNSトラブルも課題になっており、デジタルリテラシー教育が強化されています。


まとめ|台湾の学校は「厳しさと合理性」が共存

日本と台湾の学校を比べると、教育制度や日常のルール、イベントや食事に至るまで多くの違いがあることがわかります。

台湾の学校は、ルールに厳しい一方で、効率的で合理的な面も多く、真面目に学ぶ姿勢が根付いています。文化の違いに驚くこともありますが、それぞれの良さを知ることで、視野が広がるきっかけにもなるでしょう。

これから台湾への留学や子どもの教育を検討している方は、ぜひ現地の学校生活を理解して、安心して一歩を踏み出してくださいね。